初めてスピーカーの自作をして見事に完成させた2011年のころ、どうせならテレビ台もということで設計図を調べてみることにしました。
工業高校卒の私はものづくりが好きなので、部屋の中のものを自分で作ったものであふれさせることで満足に浸る生き物なのです。
DIYに関してはまだまだ初心者であった私ですが、テレビ台もそのターゲットになったわけですね。
そのころ42インチのSHARP製のテレビを使っていたので、この重さに耐えられるくらいに丈夫であることと、オーディオが趣味なのでアンプも乗せられるほどの大きさであることと、さらに初心者でもしっかりと作ることができるようなテレビ台が欲しくなり、この条件でリサーチ。
でも、5時間くらい設計図を調べましたが、ネット上には全くと言っていいほど図面が転がっていません。
工業高校卒なので自分で設計図を書くこともできますが、やはりテレビ台ほど大型のものとなると詳しい人が考えたものの方が安全で確実。
そう考えて困り果てていたある時に、通い詰めていたメイド喫茶で仲良くなった常連さんに、酔った勢いで言ってみたのです。
「テレビ台を自作したいんだよね。」
「それならうちにあるから見に来ない?」
と、お互いのお気に入りのメイドであるSさんのお話をしながら、お邪魔させていただくことに。
わくわくしながら見に行くと、そこには幅2メートルを超えた、超巨大なアンティーク調のテレビ台があるではありませんか。
しかも補強もしっかりされた、超丈夫なもの。
あまりに本格的な作りに驚き、何かDIY経験があるのかと聞いてみたら、土木関係のお仕事をしていると言われ、まさかのプロの方だと分かったのです!
そのテレビ台は、デザインはアンティークな感じというか、使い込まれたような感じの色でかっこよかったので、このような色で初心者向けのものを作りたいと伝えると手伝ってもらえることに。
プロの友人が書いた設計図がまだ手元にあるので、これを公開することでテレビ台の自作の助けになるのではないかと考えました。
設計図だけでなく、テレビ台の自作の仕方まで説明しておりますので、ぜひご覧ください。
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テレビ台を自作するための設計図
「42インチのテレビまで乗せることができる丈夫でシンプルなテレビ台」
これをコンセプトにして組み立てております。
私の現状はこのような感じで、左にパソコン、右にプレステ3、真ん中に真空管アンプ2台(重さは2台で15kgほど)を置けています。
丈夫そうで引き出しとかもついていないし、シンプルで作りやすそうではありませんか?
そしてお待ちかねテレビ台の設計図がこちら↓↓↓
全て単位はmm、縦の長さ260mmと500mmは見やすくするために赤色で書いてみました。
左右の空間の寸法を284mmと254mmで幅を変えているのは、大きめの幅を取りたくなる場合を考えたから。
現に左スペースを284mmにしたおかげでパソコンを置くことができて、快適なパソコンライフを送っています。
テレビ台の制作にかかった時間はおよそ1週間、作業時間は15時間ほどで、費用が1万5,000円ほど。
また、今回紹介するテレビ台の自作は必ず2人で行いましょう。
組立てに1人では無理なところがあったり、何よりケガをしないためにも大切。
それでは、テレビ台の自作に必要なものから作業手順について説明しますね。
テレビ台の自作に必要なもの
使った木材と必要なものは以下です。
- 木材:パイン集成材 板厚18mm
1,150mm×400mm 2枚
400mm×500mm 4枚
400mm×540mm 1枚 - ハンドサンダー
- 紙やすり400番
- 充電式ドライバードリル
- オイルステイン
- プラスドライバー
- プラスねじ
- 刷毛
- うすめ液(作業後、刷毛についたオイルステインをきれいにするために使用)
- ウエス
- 木工用ボンド
- ブルーシート(塗装に十分な場所がなければ)
充電式ドライバードリルは5,000円前後するので結構高いです。
初心者だし費用をかけるのに抵抗があるから、買わなくても何とかならないかなぁと思うかもしれませんが、これがなかったらそもそも穴あけできません(笑)
ドライバードリルは先っちょをドリルとドライバーそれぞれに交換することができ、穴あけに使えたりドライバーに使えたりととても便利なもの。
そもそも穴あけは何のためにするの?という疑問について説明すると、木の板同士を接着する時に最後にねじ締めをするのですが、事前に穴をあけておかないと締めた部分が割れてしまうから。
さらにねじが奥までしっかりと刺さらなくなることもあり、テレビ台として最悪の出来栄えに。
ねじでボコボコしたテレビ台なんか作りたくないじゃないですか。
穴あけには重要な役割があるのです。
さらにもう1つドライバードリルが必要な理由があります。
もしこれがなかったら、ねじ1つ1つを自らの腕を使ってプラスドライバーで締めていくことになり、めっちゃくちゃ大変だから。
ねじ1つを奥までしっかりと締めるだけでも結構腕が疲れてしまうのに、大型の重たい木の板を運んだり支えたりやすりがけしたりしないといけないので、実際の作業で地獄を味わうハメに。
私はドライバードリルなしで作業するなんて無謀なことはしたことはありませんが、作業時間が数時間以上増えるであろうことは簡単に想像できます。
できるだけ作業を楽にして、組み立てる時間を短くするためにもドライバードリルは必須と言えるので、必ず用意しましょう。
ホームセンターに木材のカット依頼
次に、こちらがホームセンターにカット依頼をするための設計図です。
私はカインズホームにパイン集成材でカット依頼しました。
設計図をダウンロードする
設計図の画像を保存するか、ノートに書いてホームセンターに持っていけばカットしてもらえます。
画像保存をして持っていくと、カットしてもらっている時にケータイを店員さんに預けなければなりません。
店員さんは図面を見ながら作業するので、暗記してカットなんてできるはずないですからね(笑)
ケータイを預けるのはイヤだと思うので、私は画像を保存するよりもノートを持っていくことをおすすめしますが、定規を使って書くのがめんどくさい人はフリーハンドでOK。
カット図面は伝わればいいのです。
私の場合は友人がホームセンターでノートに設計図を書いて、そのまま店員さんに見せてましたが、友人はA3ノートに定規を使わず、ボールペンで手書きでパパーっとキレイな図を書いておりましたので、慣れてるんだろうなぁと思いながら見ていました。
そしてカット依頼は、あらかじめ木材を購入してからでないとできないので注意。
木材は1800mm×900mm(この大きさをサブロクと言います)サイズの板1枚と、1800mm×400mm以上のサイズの板1枚の合計2枚でカット依頼することになるでしょう。
木材を購入したらカットコーナーに持っていって店員さんに依頼しますが、他にカット依頼を出している人がいなければ大体10分~15分くらいで終わると思います。
直線カットのみなので、カット代金は500円かからない程度でしょう。
完了後に代金をレジで支払えば、カット依頼は終わりです。
木材のやすりがけと塗装
いよいよ木材に手を加えていきますが、今回は室内で全ての作業をする場合で説明しますね。
以下を2セット行います。
- やすりがけ
- オイルステインを塗る
- ウエスで擦る
1.木材の全ての面をやすりがけ
やすりがけは削った木くずが飛び散るので、広めの空間の確保とマスクを付けるのが大事。
紙やすりは400番を使います。
320番だと滑らかさが足りず、500番だと木材の角を削るのが大変だし、そこまで滑らかでなくてもいいからです。
ちなみに私のハンドサンダーはこのようなものです。
ヤスリホルダーって書いてありますが、細かいことは気にせずに。
ハンドサンダーと同じものです。
私のハンドサンダーは、以下の手順で紙やすりを挟むことができます。
実際に挟んでみるとこんな感じ。
これで挟めていますね。
紙やすりをちょうどいい長さで切って両側ではさめば、ハンドサンダーの紙やすり装着モード完成。
やすりがけを開始できます。
木材のやすりがけは少しの部分もやり残しがないように、腕にしっかりと力を入れて木材の木目の方向に向かって全体的に行いましょう。
やすりがけをした面を触ってみて、さっきより面が滑らかになったなぁというくらいなら十分。
紙やすりを見て全体に木くずが付いていたら取り換えるようにします。
この辺は、やっているうちに加減が分かってきます。
また、木材の角は多少削る方がケガをしないためにも大切なので、好みの量だけ削りましょう。
やすりがけが終わったら、木材についている木のくずを払います。
2.オイルステインと刷毛を使って塗装
色はウォールナットやオークだと黒っぽく見えたので、昔の家具っぽいマホガニーにしました。
次の画像のようなイメージ(※これはペンキです)で、刷毛にオイルステインをにじませます。
そのまま塗ると量が多すぎるので、3回ほど刷毛に圧をかけて滲んでいるオイルステインの量を減らし、木材の真ん中から外側に向けて一気に塗っていきます。
一気に塗らないと仕上がりでムラができてしまうので、塗る早さを意識するのが大事。
下の画像のように、次の矢印までを1.5秒以内で塗りに行くくらいの速度です。
私のような初心者的には早い速度だったのですが、それでもプロの友人からは「まだまだ遅い!」と言われ、私は塗料を飛び散らせながら必死に塗っていました。
(友人と作った時は外で塗装しました)
私はかつてスピーカーの塗装をした時に、何も考えずに室内で塗装したら飛び散って本棚を汚してしまったことがあります。
私みたいに周りのものを汚さないために、必要に応じて汚れてもいいブルーシートなどを使用するといいでしょう。
また、室内だと臭いがこもるので換気が大切。
換気しないと家族にキレられます(笑)
3.オイルステインを塗ってすぐに円を描くように全体をウエスでこする
※ウエスはこのように不要なTシャツでOKで、余った塗料をしみ込ませて廃棄するためにも使います。
これをすべての木材に行います。
片面が終わったら数時間乾かしますが、木材の側面の塗装はこのタイミングでしました。
その後裏面も同じようにやすりをかけたあとに、オイルステインを塗ってウエスをかけます。
※側面の塗装はオイルステインが垂れてムラになりやすいため、かなり少なめに塗装していく方がいいです。
ここまでをあと1セット行い、塗装は完了です。
テレビ台の組み立て
苦労の末に塗装が終わったら、ようやくテレビ台を組み立てていきます。
この画像の②と③のH部分から組み立てます。
ちなみにですが、完成イメージを友人に伝えた時に「真ん中のH型は一番やべーよ」と言っていました。
一体どれほど大変なのかと不安になりながら、早速一番やばいところから組み立て開始です。
まずは②と③を接合してT型を作ります。
T型を作るためには木工用ボンドとねじを使います。
まずは私のテレビ台と目分量で同じくらいの幅になるように、ねじ締めをするための穴を空けます。
友人はねじは3本でも十分な強度があるよと言っておりましたが、私のわがままで4本ねじを打ちました。
4本打った理由は、重たいアンプを乗せるために強度を上げたかったから。
大体このくらいの幅でやりました。
(奥のねじの幅がせまく見えますが、4本とも同じ幅です)
ねじ4本だと強度は十分過ぎるので、幅は適当でいいです。
②の穴あけ位置に目印をつけておいて、穴あけをする前にそのまま木工用ボンドで木をT型の状態に接着します。
木工用ボンドを塗る量は、木の接着面の全てに薄く行きわたるくらいでOK。
ボンドが乾かないうちに1人が②を支えながら、もう1人が充電式ドライバードリルで穴あけをします。
ドリルの太さは2mmのものがいいです。
穴あけの深さはこのくらいで、使うねじの長さよりは浅く穴あけするイメージ↓↓↓
その後すぐに穴あけした場所をドライバードリルでねじ締めして完了。
ここの作業は文章だとしれっと説明していますが、実際には友人の言った通り本当にヤバかったです。
穴あけとねじ締めが終わるまで1人はずっと②を支えるのですが、この時1mmもズラしてはいけないのです!
なぜならここがズレたら、ねじ締めした時に③が割れてしまうかもしれないから。
穴あけからねじ締めまでの間には、ドライバードリルのビットをドリルタイプからドライバータイプに交換する時間があります。
ただでさえ重たい大きな木をアンバランスな状態で支えているのに、長時間1mmもズラしてはいけないって想像するだけでヤバくないですか?
この②を支えている時間が、ものすごく長く感じるのです。
でも、ここの精度がかなり大事で、手を抜くと完成後にテレビ台がまっすぐになりません。
一番の頑張りどころで、友人がやばいって言っていた通りでした。
そしてしっかりと全てのねじ締めが終われば、ようやく安心ですね。
ねじ締めが終わった後に、念のためプラスドライバーで全てしっかりと締まっているかの確認は必ずする方がいいです。
T型が完成したら、同じ手順で②を接合してH型にしましょう。
H型が完成したら、①に同じ手順で接合します。
ここまで来ればあと少し。
両サイドの②と、最後に天板である①を同じ手順で接合して完了です。
天板と底板のねじ穴の位置も、相変わらず幅は適当。
私も友人もアバウトな性格なのです。
また、テレビ台を置いた後に床を傷つけたくない場合は、テレビ台の底面にフェルトを何か所か貼りましょう。
テレビ台を引きずっても傷がつかなくなります。
という友人からの提案でした。
本当に感謝です。
そして私はこのように貼りました。
これで完成です。
(少し散らかっていてすみません)
友人にはビール缶の6本セットを2個プレゼント。
小さな丸い球をテレビ台の上に乗せても転がらないので、まさに平面になっており素晴らしい出来です。
塗装は外で行ったので匂いがこもることはありませんでしたが、数日もすれば匂いは落ち着きます。
うちの部屋の壁は白ですが、違和感なく置けています。
そして最も大変だったのは、やはりH型の部分。
あれはもう二度とやりたくないです(笑)
でもH型の出来が、完成時に平面になるかの分かれ道なので気合いの入れどころ。
強度は抜群で、ビクビクしながらテレビ台の上にしばらく立ってみました(おっさんプレス53kg)が、壊れることはありませんでした(壊れるとイヤなので真似しないようにお願いします)。
底面にフェルトを貼ったので、一人でも場所をズラすくらいなら簡単にできます。
運ぶとなると2人いる方が安全のためにいいですね。
まとめ
今回は私と友人2人で作ったテレビ台の自作手順と設計図を紹介しました。
2011年に作りましたが、2024年現在でも友人が遊びにくるたびに、42インチも置ける強度抜群のテレビ台を自分で作ったということを自慢しています。
違和感なさ過ぎて製品かと思ったと言ってもらえることもあり、達成感でいっぱいです。
年単位で重たいものを置いていますが、ひび割れなどが起こることはなくまさに一生使えるものに仕上がっております。
私が作った図面を使ってぜひDIYにチャレンジしてみてください。
ただ、塗装の時に臭いも出るし、乾かすのに広い場所の確保や時間の確保も必要です。
シンプルなテレビ台に見えますが、実際に作ってみると大変なところも結構ありました。
当時は、検索しても自分の理想のアンティーク調のテレビ台を見つけることができませんでしたが、今はしっかり探せばネットで理想のテレビ台が買える時代です。
当時の私がこのサイトをしっていたら、もしかしたら購入していたかもなお店も紹介しておきます↓
オシャレでサイズも様々な収納力抜群のアンティーク調のテレビ台が購入出来ますよ。
ただ、お値段的には自作したほうが安いので、時間や場所問題が解決できる方は、ぜひ私の記事を参考にDIYしてみてください♪
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