JBLの名機の1つであるD123(12インチ)がフルレンジユニット(エクステンドレンジユニット)の中で、唯一ツイーターなしでも高音域がそれなりに伸びていそうでずっと調べていました。
JBLの名機にはC34ハークネス、C36ヴァイカウント、4320、D130、075、375など多数ありますが、D123もその1つです。
D123を設計したのはジェームス・B・ランシングではなく、JBLの技術者であるB・ロカンシーであったという説が有力です。
かつて有名な38cmユニットであるD130(15インチ)+ホーンツイーターの075が搭載されたC36ヴァイカウントを聴いたとき、どこまでも澄んだ音でこれこそが最強でいつかは手に入れたいと思っていました。
でも、D123はD130よりも低音域がよく伸びて、小型エンクロージャーでも使えるように設計されているという情報が見られます。
D130と近い時期に発売されているということから、D130に近い音が出るのではないかという期待と、部屋が6畳間の私にはむしろD123の方がいいのではないかと考えたのです。
ここでは、私がD123を購入するところから家で鳴らしてみたところまでのお話を書いていきます。
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JBLの名機の1つD123の音
JBLのD123には16オームタイプと8オームタイプがあります。
16オームタイプが初期型で、リアマウントしかできないように設計されておりフレームがグレー。
8オームタイプが後期型で、フロントマウントができるように設計されており、フレームが黒色で初期型と形状が異なるため音が違うと言われています。
初期型の方が音が良いと言われているようなのでそちらを手に入れたかったのですが、全然中古で出回らないのです。
後期型なら毎月のように出回っていましたが、まさか名機と言われている音は初期型だけではないか?
後期型ではずいぶん音が違っているのではないか?
などと疑問に思い調べていたら、タイミングよくハイファ〇堂にD123後期型の在庫が。
とりあえず1回聴いてみようということで、早速出向いてみました。
JBLのD123を購入してみた
ハイファ〇堂に行ってみるとまだ売れておらず、ユニットだけでももしかして試聴できないかな~と店内をウロウロしていたら、店員さんから声かけしていただけました。
「あのJBLのD123が気になっています。
バスレフ型で使用されている例が多数あるようですが、平面バッフルでも鳴らせますか?
サンスイにSP-505Jもありますよね。」
「平面バッフルだと壁からかなり離さないといけないのと、SP-505JはJBLの箱を作ろうってことでサンスイが作ったもの。
平面バッフルでも密閉型でも問題なく鳴らせます。」
「昔のJBLのユニットは端子がプラスマイナス逆に接続すると聞いたことがありますが、D123もそうなのですか?」
「逆ですか?
それは4343のネットワークの話かもしれないですね。
D123ではそのようなことはないですよ。」
という会話をしました。
平面バッフルの鳴らし方までよくご存じで、さすがにオーディオ店だと感心したとともに、端子についてもしっかり説明していただけました。
SP-505Jについては、オーディオブームだった当時はおそらくサンスイは本気で取り組まれていたと思いますので、ただ作ろうってだけではないと感じましたね。
実際に音を聴いてみないとということで、じゃあ鳴らしてみましょうとなり、ジャズを流していただきました。
繋ぐアンプはサンスイのAU-D907G Extra、流す曲は有名なテイクファイブです。
!!?
なんだこの音抜けの良さは!?
ラッパの音が信じられないくらい浮かび上がり、それが飛んでくる。
シンバルの音はさすがのJBL、キレッキレでしかもかなり音量を上げても聴きやすい。
高音域の伸びは大体10kHz前後から一気に落ちているような感じでPOPSは辛そう。
店員さんはジャズや女性ボーカルはいいが、ポップスなどはツイーターが必要だろうとのことでそれは音の印象通り。
トランジスターアンプで鳴らしてこれなら、家の真空管アンプに繋いだらもっと音が元気に鳴るのではないか?
私の好きな妹尾美里さんのピアノを鳴らしたら、心に響くような音が出るのではないか?
この音にはかなりの可能性を感じました。
※この時すでに初期型とか後期型とかは頭から外れています(笑)
正直金銭的にきつい状況でしたので、今回はあまり購入する気はなかったのですが、音を聴いてこれはどうしても今買っておきたいと思ってしまいました。
いやー参りました、お金もなければ家にエンクロージャーも無いのに買ってしまうなんて。
ひとまず家に届くまで心待ちにしていました。
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真空管シングルアンプで鳴らしてみた
数日待って、いよいよD123が到着しました。
いいですね、素直にかっこいいです。
早速家の真空管シングルアンプSV-S1616D 多極管(KT90)仕様に繋いで、エンクロージャーは無いのでそのまま音出し。
例によってテイクファイブです。
す、すごい。
お店で聴いた音抜けよりもさらに良い。
基本的に店舗で聴いた音に感動して購入して、家で聴いたら大したことないぞというのはオーディオあるあるだと思うのです。
でも、今回は真空管アンプに繋いだからか、より聴きやすく優しい音に包まれる感じで店舗で聴いた音よりも質が上。
JBLは重たい低音域に耳を刺すような高音域で、とにかく迫力のある音という印象でしたが、これは全く違う。
C36ヴァイカウントの時に感じた、澄んだ青空にたとえられる音の片鱗がまさに感じられました。
これは最高のユニットの1つで、やはりD123は名機であると確信しました。
現代の一般人でも昔の王様よりも贅沢な暮らしをできていると言いますが、こんな音で音楽を聴けるなんてとても幸せなことだな、となぜか今の生活の良さをしみじみ感じました(笑)
そのくらい出てきた音にはインパクトがあり、これは何としても良いエンクロージャーに入れて鳴らしてあげたいと思うのでした。
※ちなみに妹尾美里さんのピアノもめちゃくちゃ響く良い音でした。
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まとめ
JBLの名機の1つであるD123を購入して鳴らしてみたお話を書いてみました。
43XX系とは全然違う音で、どちらかと言えばD130などに近い音の印象。
今回はまだエンクロージャーが完成していないため裸での音出しでしたが、次回からはエンクロージャーの組み立てなどについて書いていきます。
実は作るものは決まっていて、有名なあの銀色のやつです(笑)
レプリカをDIY素人ながら頑張って自作してみますので、興味のある方はそちらもお楽しみあれ。
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