初めてスピーカーを購入する前に一体何を選んだらいいのかと悩んでいた時に、スピーカーのワット数にはどんな意味があるのかと、オーディオを始めたばかりの頃の私は分からないままに調べていました。
許容入力30Wで最大入力80Wなどという表記はつまり、これだけの音量が出るということだとずっと勘違いしていたのです。
え、そういうことじゃないの?と思ったら、ぜひ読み進めてみてください。
私はある時いつまでも分からないままでは嫌だと思い、ハードオフで働いて趣味であるオーディオを担当することにしたのです。
7年間にわたるハードオフでの接客経験や、スピーカーやアンプを自作することでそれまでよりはかなり詳しくなることができました。
オーディオを始めたばかりだとどこで勘違いしやすいのか分かるので、ここではスピーカーのワット数について書いていきます。
参考にしてみて下さい。
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スピーカーのワット数の意味
スピーカーのワット数について、このように考えておりませんか?
- ワット数が高いほど大きな音量が出る
- ワット数が高いほどクリアで音質が良い
- ワット数が低いスピーカーは音が悪そうでなんとなく嫌
- ワット数はスピーカーの出力のことである
これ、全部間違いです。
スピーカーの表記を見るところで、実はワット数ってほとんど意味がないところ。
そもそも家庭で大音量で鳴らしても、アンプの出力は2Wも使っていないことがほとんど。
そんなに出力を上げられる家庭なんてあるの?というくらいです。
いやいや、ボリューム位置9時くらいのところまで上げていて、アンプの最大出力が100Wなんだから30Wくらい使っているでしょという意見もあるかもしれません。
でも、違います。
私も最初にハマッた罠なので説明していきますね。
音質はワット数では分からない
まず、スピーカーの音質はワット数では一つも判断できません。
低音域も中音域も高音域もです。
仮にワット数だけで音質判断できるのなら、極端な話1万Wって書かれているだけでそのスピーカーが最強ってなっちゃうじゃないですか。
そうではなくて、まずワット数とは「スピーカーにアンプからの入力をどれだけ与えていいか」という表記になります。
スピーカーの出力のことではなくて、アンプからどれだけ音声信号を出力していいかの表記です。
もっと分かりやすく言うと、アンプからの力にどれだけ耐えられるかってことですね。
最初は本当に勘違いしやすいところなので、まずはここを理解しましょう。
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スピーカーの音量は能率を見る
次に、スピーカーの音量についてみていきます。
スピーカーの音量がどのくらい出るのかは、「能率」もしくは「出力音圧レベル」を見ます。
例えば90dB/Wなら、1Wの入力があった時に90dBの音量が出ますよというもの。
90dBとはどのくらいの音量でしょうか。
大体このような音量です。
90dB 犬の鳴き声(正面5m付近),騒々しい工場の中、カラオケ(店内客席中央)
80dB 地下鉄の車内,電車の車内,ピアノ(正面1m付近)
70dB 電話のベル,騒々しい事務所の中,騒々しい街頭
引用: http://www.bgnm.jp/noise.html
大体音量のイメージができたと思います。
そして1Wでこの音量なので、じゃあ30Wだったら一体どれほどの音量なんだと思いますよね。
ね、音量とワット数、全然関係ないでしょ(笑)
ここまででだいぶワット数が音と関係ないことが分かってきたと思います。
では最後に、アンプのボリュームを結構上げているのにワット数が出ていないことに関するお話をしていきます。
ボリューム位置について
少し専門的なお話になりますが、ボリュームにはAカーブ、Bカーブ、Cカーブと種類があります。
何が違うかというと、ボリュームを動かした時のスピーカーへの出力のかかり方が違います。
Aカーブが最も上がりづらく、Cカーブが一気に上がり、Bカーブが一定で上がっていくという特性を持っています。
通常最も出力が上がりづらいAカーブのボリュームが使わていることがほとんど(98%以上といっていい)なので、今使っているアンプもそうだと考えてください。
つまり、ボリュームを9時くらいまで上げても1W以下の出力しかスピーカーにかかっていないカラクリはここにあるわけですね。
これまでのお話から、じゃあ何のためにワット数が表記されているのかについてですが、私も未だにその理由はよく分かっていないのです(笑)
私なりの予想ですが、おそらく販売するために表記が必要なのではないかと考えています。
自作経験のある私でも、スピーカーのワット数の表記する意味って何のためにあるの?と理解していないくらいの程度のもの。
スピーカーを見る時は、ワット数ではなくもっと他のところを見るようにしましょう。
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まとめ
スピーカーのワット数の意味について書いてみました。
外で使うようなスピーカーであれば大音量で鳴らすので、ワット数を見る意味はあるでしょう。
でも、家庭でオーディオを楽しむ分には全く見る必要がないことは伝わったかと思います。
スピーカーはまだまだ勘違いされがちなところがたくさんありますので、少しずつ詳しくなっていけるといいですね。
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